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増加しているクレーマーとの対応にあたって

となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ)
面白く読みました。悪質なクレーマーとの交渉術を期待したのですが、筆者のクレーマーとの体験談を本にするにあたって、少し脚色した読み物というイメージを受けました。そのこと自体は悪くありませんが、デパートでの経験則が全ての業種に対応できるわけもなく、「なるほどそのように対処しているのか」という程度に留まりました。

仕事でクレーマーと言われる人種と遭遇しない方が珍しい時代になっています。こちらには言われる理由がないことで一方的に理不尽な暴言を吐かれることが多い現代人にとって、本書の魅力はまずタイトルにあると思います。それゆえ、手に取る人も多く、レビューの数も相当数に上るなど本書に関心ある方の多さを示しています。

苦情は、仕事の改善のヒントであるのは当然として、日常クレーム処理を仕事として関わっている人にとって精神的な苦痛は図り知れず、そのことの理解もまた必要なのは言うまでもありません。

一番関心を持って読んだ第3章「クレーム対応の技法」は20数ページでした。書かれている通りなのですが、もう少し汎用性の高い技法ならもっと良かったのに、と思いました。また法的処理への対応も必要なことですから、そこの観点からの筆者の見方も知りたかったですね。

交渉事は経験則が生きてきます。ある程度、年を重ねることで判断力も交渉力も増してきますが、そこまで到達するのもまた大変ですので、本書のような事例を読むことで疑似体験して力をつけるのもまたクレーム対応には必要なのかも知れません。
引用元:増加しているクレーマーとの対応にあたって
となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ)
「クレームを大事と考えない事業体に対して、かえって悪意を持ったクレームを示してトラブルを引き起こす「招かざる人」が集中することがあり得る。」から、クレーム対応には最新の注意が必要。人が困るのを面白がる「愉快犯」や金品を求める「要求型」といった理不尽なクレーマーへの対応は、「絶対に一人で対応しないでp.76」「どんなに絡まれてもできないことは「できません」と言い、安易に妥協p.72。」せずに、「ひたすら丁寧なお詫びを続けp.88」「持久戦になっても筋を曲げないでp.107」「姑息な手段を使わず常に正面からp.97」対応する。経験をつんで店側ではなく顧客側の立場にたって対応できるようになれば、苦情の8割は電話で解決できるようになるp.157。「一般の苦情客を、クレーマーに仕立てないp.178」苦情処理のゴールは「お客様を話さないことp.158」。「苦情の対応は紙一重の満足が顧客の信頼につながるp.178」過剰な反応は禁物。クレーマーも正しく対応すれば、お客として「よく店にあらわれp.29」たり「うまいお付き合いができp.97」ることもあるとのこと。苦情処理について「これほどおもしろい職業もないp.154」と言い切るプロフェッショナルから、苦情に悩んでいる人たちへの素晴らしいプレゼントである本。おススメ。
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